RENO AIR RACE 2007体験記
RENO 4日目
木曜日、いよいよ人出も増えだして本番近しを実感させられる時期です。この日はトニーさんの予定がないのでのんびりしたスケジュールでした。

御大のランスエアは修理中…エンジン交換をしていました。
まず向かったハンガーにはトニーさんの姿はありませんでした。どうやら逆風の風のため東側に向かったゴールドクラスのバイプレーンの方に向かったようです。
飛行機は風に正対した方が揚力を稼げて離陸がやりやすくなるので風向きによって滑走路の使い方が逆になります。その場合、スタンディングスタート
となるバイプレーンとフォーミュラワンクラスはスキャッターパイロンと呼ばれるパイロンを使ってUターンし正規の第一パイロンへ向かって殺到することにな
るわけです。
いつもと逆向きに離陸です
バイプレーンゴールドクラスの第一戦、いきなり波乱が待っていました。圧倒的な強さを誇る完全オリジナル機である「#62ファントム」と「#13ミス・ジアンナ」が共にレース途中で戦線離脱!

思えば今日の波乱はこのあたりから始まっていたのかもしれません。
レースを見た後、カートで会場東端のヘリテイジ&ミリタリー展示場へ。大体出揃った機体を撮りまくります。
今年はやや低調な両展示でしたが、去年はなかったF−15イーグルをじっくり観れました。


外観は見慣れたとはいえ、細部のディティールは興味深いです。特にエンジンノズルのアイリス部分は神谷氏や竹光氏も自分も撮っていたという魅惑のディティールが満載でメカ好きにはたまりません(^^;
他にも、国境警備隊のUH60のケブラー防弾板の分厚さや、KC−135の乗組員用ヘルメット、プレデターのセンサーポッドを厳重に収納している金属製のコンテナなどなど、面白いものはありました。今年はラプターが来ると思ったんだけどこればっかりは仕方ないですね。

昼飯もそこそこに今年初のパイロンへ。竹光氏からビデオをお借りして、スポーツ・T−6クラスなど撮りますが、なかなか勝手の違うビデオカメラは
なかなかファインダー内に捕らえるのが難しく苦労します。そういえば、アンリミのブロンズではタイガーキャットばかり撮ってたなあ(^^
そして操作にも慣れてきたジェットクラスのレース、注目していたバックアイのデビュー戦ということで注目の一戦です。
しかし、ここで悲劇は起こったのでした。
ジェットクラスは今年から機数の増加に合わせて二つのヒートの分かれて争われます。このレースは上位8機のゴールドレースでした。
スタート直後、どうもいつも見ているジェットクラスのレースと勝手の違う雰囲気は感じていました。例年になく接近戦というか、各機のラインがばらばらなのです。
幾重にも交差する各機のラインにハラハラしつつも自分たちのいるウェストパイロンを駆け抜けた直後、異変は起きました。
バックアイの直後についていた緑と茶色の迷彩の機体が、何かに跳ね飛ばされたように弾かれ、裏返しになったと思うとまっさか様に地面に激突したのです。
その間はわずか2秒足らず、思わず覗いていたファインダーから目を放してしまいました…。
直後にスタンド前で上がる爆炎、黒い煙がもうもうと上がります。
呆然とする我々は急遽パイロンから呼び戻されました。戻るバスのなかでも我々プレスは騒然です。ただ、事故の様子からパイロットが絶望的であることだけは分かっていました。
二人目の犠牲者、しかしレース中の事故はこれが初めてである事からレースの続行は割りと早い段階で決まっていたようです。
それを知った我々は、その心意気に応えようと4番パイロンの特別ツアーに当選していた神谷氏を残し、予定していたアウターへ移動しました。車内では普段陽気な桜井氏も言葉少なでした。
画面下見切れているのは山下親子(^^;

アウターではアンリミシルバーを観戦です。普段と違い、あんなことがあったせいもあってなんかレースを見ていても不安感が拭えません。
それでも、最奥の第6パイロンを回ってくるアンリミテッド・エアレーサーの迫力は健在でした。レースでは、トップをスピリット・オブ・テキサスとリフ・ラフが追う展開となり、テキサスがリフ・ラフのお株を奪う超低空飛行で魅せてくれました。
その戦いに、先ほどの悪夢を少しは忘れられた気がしたのは正直事実です。その意味でも、レースを続行したRARAの決定は正しかったのでしょう。
もうひとつ、気を紛らわす出来事がありました。
アウターから帰った我々がダメ元で向かったスポーツクラスのハンガーにグリネマイヤー御大がいたのです。
実は朝にもハンガーに行っていたのですが、壊れてしまったエンジンの載せ変え作業中で、しかも御大は不在でした。
このときも忙しそうな雰囲気ではあったのですけど、思い切って挨拶してみたら、近づいてきてくださるではないですか!



これ幸いと新刊である「ショックウェイブ」特集号と、竹光氏がプリントアウトしてきたカラー写真を手渡します。
我々が漫画・CG・図面で表現した御大のショックウェイブを見た反応は「exactory!(こりゃそのものだな)」と言う嬉しい反応でした。去年の宿での論争からあーでもないこーでもないと考えてきた成果を肯定されて舞い上がる思いです。
さらに、カラープリントを見た御大が一言、塗装パターンを評して「Beautiful!」と言ってくれた時、このプロジェクトは成功したと思いました…本当によかった。
ちなみに御大が一言「君達はいつも何か俺にくれるねえ」(笑)
そして我々がその場を去るとき、ふと後ろを振り向くと御大が彼を取り巻くスタッフに誇らしげに本を見せているのを見た時、深い満足感に包まれたのでした。

そして偶然は続きます。夕方のピットをうろうろしていると、どう見ても見間違えようのないシルエットの御仁が。そう、あのカーネルサンダースみたいなビル・ロジャース氏の登場です。
神谷さんが「超ビッグなプレゼントがあるんだ」といったあと、例のページを取り出して見せた瞬間の一瞬の沈黙と続けて起こる爆笑、劇中でフューリアスから降りてくるシーンと合わせてもう大ウケでした。

大ウケです!
色々話を聞くと、フューリアスは複座にしている最中だそうで、「乗るかい?」と聞かれたので「乗る!」と即答しておきました。来年はきっとあの鮮やかなトリコロールのシーフューリーが見れることでしょう。

夕方のランプでエンジンを回すF2G。

夕日を浴びるベアメタル機はその表情が一変します。
悲痛な事故はあったものの、何とか持ち直した我々は、気分を変えて夕食を近所のバフェでとることにしました。
たぶん木曜日なら去年えらい目にあった「ハワイアン」の日を回避できると踏んでのことです。
しかし、我々を待っていたのはハワイアンメニューでしたorz
まあこれも笑い話に出来る余裕がまだ我々にはあったのです。
それに、フィリピン人の店員のおばちゃんがえらく陽気であったことも我々を和ませてくれました。何でもこのおばちゃん、日本にしばらくいたそうで接客の上手さがまさにお水系(^^;
飲み物もサービスしてくれたので、ちょっと多めにチップを置いて宿に戻ったのでした。(つづく)
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