RENO AIR RACE 2007体験記
RENO 6日目
正直、二日続けて起こった大惨事で土日のレースは最悪中止もありえると思っていました。少なくとも、翌日のレースはダメだろうと。
しかし、早朝にモーテルの部屋にかかってきた桜井さんからの電話で、そんな推測は吹っ飛んでしまったのです。
「予定通りにレースをやるって」
そりゃあ目も覚めますよね(^^
とにかく大慌てで準備して車に飛び乗ります。そのまま朝飯も食わずに会場へ。
朝日で染まるステッドは、昨日とまったく変わらないざわめきに満ちていました。本当に、昨日一昨日と二日続けて惨事が起こった会場とは思えない雰囲気です。

既にトニーさんとタンゴ・タンゴはランプに出てしまったので、まずはプレスルームへ向かいます。そこでドーナツとバナナを流し込み、そのままランプ端の撮影用プラットフォームへと向かいました。

滑走路側からはプラットフォームはこういう風に見えます。ちなみに黄緑色のメディア用ベストを着ているのがジョナサンで、右端のご婦人がリノ・ガゼットジャーナル誌のベテラン記者マリリン女史。
例のポスターを描いたジョナサンがいて、スケッチをしています。実は昨日例の会見のあとで会ったので挨拶はしていました。改めてス
ケッチや過去のイラストを見せてもらうとどうもやはりというかなんと言うかタッチが違います。こっちの方がポスターよりはるかに上手いよなあ…(^^
レースが始まってしまって詳しいことを聞き損ねましたが、スケジュール的にも本業との兼ね合いで辛かった様なことを言ってましたし、色々RARAからも注文なりあったのかもしれません。彼本来のタッチで描いたやつを見たかったなあ。
余談ですが、聞いたところによるとリノのポスターは現在公募制だそうです。と言うことは誰にでもチャンスがあるわけで…とりあえず来年挑戦してみます(^^
スタート寸前、高まる爆音
そしてトニーさんのレースが始まります。バイプレーンは土曜のこのレースが最後、まさに決戦のときです。
スタートやや出遅れたトニーさんはそれでもすぐ立て直して過激な5位争いを繰り広げます。このレースではトップがぶっちぎってしまって実はトニーさんとジェフリー・ロウの一騎打ちが一番もりあがったバトルとなりました。
最終パイロンにアプローチする二機
トニーさん曰く一番接近した時で両機の間隔はわずか3メートルだったと言うこの激戦、最後の最後で制したのはトニーさんでした。4−5−6と高度差をつけてから加速するクリーンなパッシングで、競り勝ったのです。
相手のジェフリー・ロウはこのクラスのベテランの一人で、トニーさんとしても信頼できる相手だからこそ出来る超接近戦を楽しめたことに満足したとか。
正直観ている方としては、ここ二日の事故が頭にこびりついていてハラハラしっぱなしだったんですけど。でも、無事すんでしまえばもういいレースを観たと言う思いでいっぱいになりました。
そのあと、続けてアンリミブロンズ・T−6を観戦します。ブロンズではあのタイガーキャットとクラウド・ダンサーが激闘!今年エンジンをノーマル
にして翼端も元に戻したクラウド・ダンサーはちょうどポジション的に去年のオール・イエラーの位置に収まったようで、タイガーキャットと互角の戦いです。
気がつけばこの両機ばかり撮ってました。

なんとかかろうじて飛んでる機体が撮れる様に(^^;

その後のT−6ゴールドではダークホースの紅白のT−6"Midnight Miss
V”が優勝。有力候補のWarrockやTwo of Heartをものともしない勢いでした。

第一パイロンへ殺到するT-6.大迫力です。
今年優勝した"Midnight Miss V”
当然レースの合間合間にはアクロなどのショーが挟まります。この日の目玉はジェットカーとアクロ機のゼロヨン競争。ドラッグレーサーにジェットエ
ンジンを取り付けた車体が滑走路上を爆炎を撒き散らして疾走する姿は見ものです。ブレーキではとてもとまらないのでドラッグシュートを開いて止まるのです
が、よく見ると二つついてるんですね…止まらないと困るもんなあ…(^^;

しかも、飛行機の方は背面飛行…アホや(笑)
それから、祈るような気持ちでジェットクラスのレースを見守って、一息ついているとなにやらこちらに近づいてくる人影が…あれってスキップ?
なにやら丸めたポスターのようなものを持っています。奥さんのディディーも一緒でした。

ディディーさんが手に持っているのが…
これでした
で、いい物を見せてやろうと言って見せてくれたのが本邦初公開のこの図面。
…これは決して大戦末期のドイツ計画機ではないですよ?
そう、これは今スキップが建造しようと企んでいるスポーツクラス用のオリジナル機の図面なのです。
「君の漫画のレーサーによく似てるだろう?」
と言われたものの、確かに怪しさではどっこいですが似てはいないと思いますよ(笑)
それにしても、中に入るエンジンはどうするのかとか、機首に伸びるフィレットは効果あるのかとかどれが空気取り入れ口でどれがラジエーターなのか
とか見れば見るほど興味深いです。やはりライカミングなど入手しやすいエンジンが使えるスポーツクラスはオリジナル機が作りやすいんでしょうねー。ネメシ
スもそうだし、サンダーマスタングもあるしさらにこのオリジナル機が参戦したらアンリミクラスに匹敵するバラエティ豊かなクラスとなりそうで楽しみです。
午後は東パイロンへ。去年は西ばかり行っていたので東パイロンは久しぶりです。ぐるっと回りこむ西と違い、東パイロンは1番を回って向きを変えた機体がこちらめがけて突っ込んで来るようにも見えて、いっそう迫力があります。
また、丘の上に位置するため会場を大きく見渡せるのもポイントです。
ここではスポーツ・ジェット・アンリミシルバー/ゴールドを堪能しました。
特にアンリミのゴールドは今日が初のレースとあってセプテンバー・フューリーのスピードに期待が集まります。実際その速さは圧倒的で、軽く流しているように見えて後続を寄せ付けませんでした。どうやら今年も磐石のようです。
ジェットでは人気のバックアイが優勝。やはり出力が違うのか圧倒的な飛びっぷりでした。

パイロンでの待ち時間、資料用にと青空の写真を撮っていると何人かのプレスに話しかけられ、例の本を売ってくれと頼まれます。実はあの同人誌を桜
井さんの発案でプレスのテーブルに「sample」と書いて置いておいたのを見てくれたらしく、せっかくなのでプレゼントしました。当然、宣伝もよろしく
と付け加えて(^^
夕方戻ってくると、P38の前でプレスやスタッフの撮影会が行われていました。当然こういうのはチャンスがあれば参加しておくに限ります。こうい
う時感じるのは楽しむ側と楽しませる側の一体感。ほんとどこぞの世界的企業様には見習って欲しいものですが、志からして違うので無理でしょうね…。

そのあとは恒例のトニーさん&スタッフ&スポンサー&タンゴ・タンゴの公式写真撮影。
それが終わると日本人皆でなだれ込んで記念撮影するのもすっかり恒例になりました。

今年はちゃんと桜井さんも入ってます(^^

一応スポンサーと言うことで、記念撮影していただきました。
撮影が終わり、タンゴ・タンゴをハンガーに戻す際、竹光さんが押していくことになりました。去年は自分がやったんですが、これって結構どきどきするんですよねー。

それにしても、この日は本当に何事もなかったかのように一日が過ぎていくのが不思議な気分でした。
あとで聞いたところによると、見えないところでの警察や連邦航空局との交渉は別として、最終的に再開を決めたのはパイロットの総意だったそうです。それともうひとつ、このイベントの継続を望んでいた故人や遺族の意思を尊重するとも。
リスクを負う者の意思を尊重する、簡単なようでこれは難しいことです。日本なら既に二件目の事故でイベントそのものが潰れかねないでしょう。しかし、アメリカと言う国は人の積み重ねてきた思いや現場の意思と言うものを大事にする土壌、社会的コンセンサスがあります。
リスキーなショーであることを見ている人々も共有できる力強さが、これほどうらやましいと思ったことはありません。
色々と問題の多い国ではありますが、こういった心の持ちようがアメリカの強さの源なのだと思い知らされました。
その日の夕食はトニーさんの慰労パーティーと言うことでちょっと奮発してホテルグランド・シエラのバフェで豪勢に行くことに。やっぱり値段相応の味でしたねー。ついつい食べ過ぎてしまいした(^^;(つづく)
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